【レイモンド・チャンドラーに学ぶおすすめ英語表現】プレイバック Playback ― ハードボイルドな様子や仕草の表現 10 通り vol. 3

Raymond Chandler
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アメリカのハードボイルド小説作家 Raymond Chandler レイモンド・チャンドラー の小説を題材に、生きた英語表現を学んでいきたいと思います。

今回取り上げるのは Playback プレイバック です。

その中でもハードボイルド小説の雰囲気を醸成していく、様子や仕草を描写した表現を見ていきます。
こういう表現描写が独特の小説世界を作り上げていきますよね。

Contents

ハードボイルドな様子や仕草の表現 10 通り

snarl:怒鳴る

“You ain’t through with me,” he snarled over his shoulder.

Raymond Chandler, “Playback” p35., Vintage Crime/Black Lizard

snarl は 怒鳴る という意味です。
低いうなり声のようなイメージがありますね。

  • traffic snarl 交通渋滞・交通まひ
  • snap and snarl 口汚くののしる
  • with a snarl うなり声をあげながら
  • snarled debate 混乱した討論

などの表現があります。

同意語は

  • bark 吠える・怒鳴る
  • growl うなる・怒鳴る
  • mutter 不平を言う・ぶつぶつ言う

などですね。

make a pass:口説く・言い寄る

“[…] A pretty nice guy. He made a pass at me once.”

Raymond Chandler, “Playback” p36., Vintage Crime/Black Lizard

make a pass は 口説く・言い寄る という表現です。
この引用文は He made a pass at me once. 彼は前に一度私に言い寄ってきたわ。 という意味ですね。

ちなみに make a pass には、スポーツでの パスを出す という意味もあります。
文脈によって意味の使い分けを読み取る必要がありますね。

smooch:キスする

“[…] And by the time you have, fifteen other guys have been smooching your girl.”

Raymond Chandler, “Playback” p36., Vintage Crime/Black Lizard

smooch は キスする という意味のスラングです。
キスをするときの チュッ という音を表したりもします。
キスの長さや強烈さを表現して、smoooooch のように o を3個以上並べて書いたりすることもありますね。

jangle:イライラさせる・耳障り

A telephone jangled and the cabdriver got out of the taxi and went across tbe sidewalk to answer it.

Raymond Chandler, “Playback” p37., Vintage Crime/Black Lizard

jangle は イライラさせる・耳障り という意味です。
金属がぶつかり合った時の耳障りな音から来ています。

  • jangle on someone’s ears ~の神経に触る
  • jingle-jangle ジャラジャラという音
  • jangled nerves イライラした気持ち・神経が逆なでされた感じ

などの表現があります。

bluster:怒鳴る

There was a silence. Then in a steady voice that didn’t bluster any more:

Raymond Chandler, “Playback” p41., Vintage Crime/Black Lizard

bluster は 怒鳴る という意味です。
大混乱している様子や、荒れ狂っている感じが出ています。

似たような表現には

  • hector 威張り散らす・いじめる
  • swagger 威張る・自慢する
  • yap 吠える・ガミガミ言う

などがあります。

foul up:台無しにする・しくじる

“That would have fouled up all his plans―whatever his plans were.”

Raymond Chandler, “Playback” p51., Vintage Crime/Black Lizard

foul up で 台無しにする・しくじる という表現です。
foul はスポーツの ファウル・反則 のことです。
foul-up とハイフンでつなげて書いて 故障・混乱 の意味で名詞として使うこともあります。

frown:顔をしかめる・眉をひそめる

She stopped and frowned, then made a sort of helpless gesture with the hand that had been squeezing her kneecap.

Raymond Chandler, “Playback” p54., Vintage Crime/Black Lizard

frown は 顔をしかめる・眉をひそめる という意味です。

  • frown line (眉間や額などの)しわ
  • frown on ~ / frown up at ~ (考えなどに)難色を示す・眉をひそめる
  • have a frown しかめっ面をする

などの表現があります。

同意語には

  • glare にらみつける
  • glower にらみつける
  • grimace 顔をしかめる・しかめっ面
  • pout ふくれっ面をする・すねる・ふくれっ面

などがありますね。

wince:たじろぐ・顔をしかめる

She winced. “I―I Didn’t notice. I suppose there must be.”

Raymond Chandler, “Playback” p56., Vintage Crime/Black Lizard

wince は たじろぐ・顔をしかめる という意味です。
びくっとして尻込みしている様子が感じられます。

似たような表現には

  • back off 尻込みする・弱腰になる
  • blanch 青白くなる・青ざめる
  • cower 萎縮する・すくむ
  • cringe 縮みあがる・すくむ
  • flinch たじろぐ・ひるむ・尻込みする
  • recoil 退却する・たじろぐ・尻込みする

などがあります。

out of circulation:人付き合いをしない

The guy was out of circulation, he was in the valley of peace, where time is slowed to a standstill, where the world is all colors and music.

Raymond Chandler, “Playback” p62., Vintage Crime/Black Lizard

out of circulation で 人付き合いをしない という表現です。
circulation は 流れ・循環 という意味です。
out of circulation は直訳すると 流れの外にいる ということなので、そこから 人との交流から外れている → 人付き合いをしない という意味になるようですね。

be mixed up in ~:~に関わって

“You’d better leave,” she said. “There’s no need for you to be mixed up in it.”

Raymond Chandler, “Playback” p62., Vintage Crime/Black Lizard

be mixed up in ~ で ~に関わっている という状態を表します。
悪事や不正行為などに巻き込まれている という感じがありますね。
受身形で使われる表現になります。

まとめ

Raymond Chandler の小説 Playback から、ハードボイルド小説の雰囲気を醸成していくような、様子や仕草を描写した表現を 10 個取り上げてみました。

こういう表現の積み重ねが小説の世界を作り上げていくのが伝わってきますね。

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