【海外科学英語記事解説 | NASA】惑星防衛について知っておくべき 10 のこと #7 & #8 ― 10 Things You Should Know About Planetary Defense

NASA
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Planetary Defense プラネタリーディフェンス というのはあまり聞きなれない言葉ですが、直訳すると 惑星防衛 という意味です。
宇宙空間には小惑星や岩石が漂っていますが、その中でも地球に衝突する可能性のあるものを発見し、何らかの対策を講じることを言うようです。

その惑星防衛について知っておくべき 10 のことと題して NASAJet Propulsion Laboratory (JPL) ジェット推進研究所 が解説記事を出しています。

10 Things You Should Know About Planetary Defense

ここではその 7 番目と 8 番目の話題について英文記事を読み解いていきながら、その内容を見ていきたいと思います。

Contents

惑星防衛について知っておくべき 10 のこと #7 & #8

#7.でかいやつを探す

NASA による near-Earth Objects (NEO)  地球近傍天体 の観測プログラムは 1998 年に本格的に探索を開始しましたが、まずはサイズの大きな天体を優先的に探し出しているようです。

7. Finding the Large Ones

NASA’s NEO Observations Program began searching in earnest in 1998, when only about 500 near-Earth asteroids were already known. By 2010, NASA and its partners had identified more than 90 percent of the estimated 1,000 near-Earth asteroids that are 1 kilometer or larger. Large asteroids were the first priority in NASA’s search because an impact by any one of these could have global effects. NASA’s search programs are still finding a few of these large asteroids every year, and astronomers think there are still a few dozen yet to be found. Because of NASA’s efforts, 90% of the risk of sudden, unexpected impact of an unknown large asteroid has been eliminated.

NASA | 10 Things You Should Know About Planetary Defense より引用

プログラム開始当初はおよそ 500 個ほどの地球近傍小惑星が知られていましたが、2010 年までに、1,000 個ほどあると見積もられている 1 キロメートル以上のサイズの地球近傍小惑星のうち 90 % 以上を特定しています。
サイズの大きな小惑星は地球に衝突した際の影響が特に大きいので、NASA の探索プログラムでもまずは大きなものを優先して調査しているのです。

NASA の探索プログラムでは今でも毎年数個程度はこのような大きな小惑星を発見していて、まだ数十個程度は未発見のものがあると天文学者は考えています。
NASA の努力によって、突然のリスクのうちの 90 %、不明な巨大小惑星による予期せぬ衝突の可能性は排除されているのです。

in earnest は 本格的に という意味です。

#8.接近の定義

ニュースなどでたまに小惑星や彗星などが “接近している” という話題を聞きますが、いったいどの程度を “接近” と呼んでいるのでしょうか?

8. Close Approach

You may have heard about an asteroid or comet making a “close approach” to Earth. That happens when the object in its natural orbit about the Sun passes particularly close to Earth. There’s no firm rule on what counts as “close,” but it’s not at all uncommon for small asteroids to pass closer to Earth than our own Moon. That might seem too close for comfort, but remember that the Moon orbits Earth about 239,000 miles (385,000 kilometers) away. If you represented Earth by a basketball in a scale model, the Moon would be the size of a tennis ball and about 21 feet (7 meters) away – the distance between the two posts of a professional soccer goal. At this scale, a 100-meter-wide (328-foot-wide) asteroid would be much smaller than a grain of sand, even smaller than a speck of dust.

NASA | 10 Things You Should Know About Planetary Defense より引用

天体が太陽を周回する通常の軌道にあって、それが特に地球近くを通過する際に “接近している” と呼んでいます。
この “接近” と呼ぶ際の明確な距離の定義は実は無いのだそうです。
大体の共通認識として、月が地球を回る軌道よりも近い距離を小惑星が通過するような場合に “接近している” と言っています。

さすがにそれはちょっと近すぎないか?と思わなくもないですが、そもそも月は地球から 239,000 マイル(385,000 キロメートル)離れた軌道を周回しています。
地球をバスケットボールの大きさだとすると、月は 21 フィート(7 メートル)離れたところにあるテニスボール、という縮尺関係になります。
21 フィート(7 メートル)というのはだいたいサッカーのゴールポストの間の長さです。
このスケールでは、100 メートル(328 フィート)の幅の小惑星は、砂粒よりもずっと小さく、一片のチリよりもずっと小さいものになるのです。

too close for comfort は 快適と言うには近すぎる → 不快感を感じるくらいには十分近い という意味です。too があることによって、適切な範囲を超えている、というニュアンスが込められています。ちょっとわかりづらい、英語的な表現ですね。

speck of dust は 一片のチリ という意味です。speck of が 少量・わずか・小さい点 という意味で、dust が ホコリ・チリ ですね。

まとめ

サイズが 1 キロメートル以上の小惑星はほとんど特定されているようですが、まだ未知の小惑星が数十個程度はあるらしいということで今後も継続的な探索が求められますね。

聞きなれない専門用語はいくつかありますが、英文としても素直な文章で読みやすかったのではないかと思います。
こういう読解を続けて行くと英文に慣れてきて内容も理解しやすくなってきますね!

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