データや事実に基づいて世界をありのままに正しく読み解くための指南書として、世界で 300 万部を超える大ベストセラーとなっている FACTFULNESS を題材に、生きた英語表現を学んでいきたいと思います。
その中でも、状態や状況を表す表現を見ていきます。
本書には日常生活でもよく聞く単語や使えると便利な表現が現れたりしています。
身近で使う英語に触れながら英語表現の幅を広げていきましょう。
Contents
FACTFULNESS な物事の英語表現 10 通り
scarce:乏しい・少ない
We crave sugar and fat, which used to be life-saving sources of energy when food was scarce.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p15., Flatiron Books.
scarce は 乏しい・少ない という意味です。
言い回しとしては、food is scarce で 食料が乏しい という使い方もしますし、この引用のように scarce food で 乏しい食料 という使い方もします。
同意語は
- deficient 不足した・不十分な
- scant 不十分な・乏しい
- scanty 不十分な・乏しい
などがあります。
反対語は
- ample 豊富な・有り余る
- plentiful 豊富な・十分な
- sufficient 十分な・満足な
などがありますね。
astray:方向を見失った・道に迷った
Uncontrolled, our appetite for the dramatic goes too far, prevents us from seeing the world as it is, and leads us terribly astray.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p15., Flatiron Books.
astray は 方向を見失った・道に迷った という状態を表す単語です。
物理空間としての 方向を見失う という意味と、人として道を外れた・邪道に入った・堕落した という意味もあります。
lead someone astray で 人を道に迷わせる という意味と 人を堕落させる という意味があるので、文脈によってどちらの意味になるかを読み取る必要がありますね。
同意語は
- afield 外れた・離れた
- off course 針路から逸れた
などがあります。
反対語は
- on course 予定通りの方向に進んでいる
- right 合っている・まっすぐの
- straight 正しい・まっすぐ
などですね。
be obsessed with~:~で頭がいっぱい・気に掛ける・思い詰める
I put the pen down and said, “Do you know why I’m obsessed with the numbers for the child mortality rate? […]”
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p20., Flatiron Books.
be obsessed with ~ は ~で頭がいっぱい・~に夢中 といった意味です。
ある考えに取りつかれている、といった様子が感じられる表現です。
- I’m obsessed with Naomi. ナオミに夢中になっている
- I’m obsessed with my work. 仕事に熱中している
- I’m obsessed with hi-hop music. ヒップホップにはまっている
名詞形の派生語の obsession は 強迫観念・妄想 という意味です。
tepid:生ぬるい・熱意に欠ける・気のない
You can also have your water freezing, tepid, scalding, or anything in between.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p31., Flatiron Books.
tepid は 生ぬるい という意味です。
この引用では水の温度が ぬるい ということですが、精神論的な意味合いでの 熱意に欠ける・気のない という意味もあります。
同意語は
- halfhearted 乗り気じゃない・身が入らない
- mild 穏やかな・温和な
- unenthusiastic 熱心でない
などがあります。
反対語は
- enthusiastic 熱心な・熱狂的な
- keen 熱心な・熱烈な
などがありますね。
この引用にある scalding は やけどするほど熱い という意味です。
scalding hot やけどするほど熱い といった使い方をします。
meager:やせ衰えた・貧弱な
On their way home they gather firewood, and you prepare the same gray porridge that you’ve been eating at every meal, every day, for your whole life― except during the month when the meager soil yielded no crops and you went to bed hungry.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p34., Flatiron Books.
meager は やせ衰えた・貧弱な という意味です。
引用にある meager soil は やせた土地 ということですね。
- meager meal 粗末な食事
- meager outfit みすぼらしい身なり
- meager salary 安月給
などのような表現があります。
この記事の上 で紹介した scarce 乏しい・少ない と同じような状況を表す表現ですね。
nasty:不快な・たちの悪い
One day your youngest daughter develops a nasty cough.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p34., Flatiron Books.
nasty は 不快な・たちの悪い という状態を表現する単語です。
病気やけがなどの状態が たちが悪い・ひどい という場合と、人の性格や言動が 意地悪な・不愉快な という意味の場合とがあります。
- nasty aside 意地悪なひそひそ話
- nasty cold たちの悪い風邪
- nasty face 陰険な顔
などといった使い方があります。
ちなみにスラング的に全く逆の意味で 最高な・格好いい・素晴らしい という意味もあるので、文脈や状況によって意味を読み取る必要がありますね。
dichotomize:二分する・二つに分ける
We love to dichotomize.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p38., Flatiron Books.
dichotomize は 二分する・二つに分ける という意味です。
派生語がいくつかあります。
- dichotomy 二分・両分・二分法
- dichotomic 二分法の
- dichotomization 二分化・二分法
同意語は
- divide 分ける・分割する
- split 分ける・分割する
- subdivide さらに分割する・細かく分ける
などですね。
反対語は
- combine 混ぜ合わせる・結びつける
- unite 結合する・まとめる・一体化する
- associate 結びつける・結合させる
などがあります。
oppressive:圧政的な・耐え難い
If we are asked to think about different kinds of government systems, we might quickly recall on the one hand corrupt, oppressive dictatorship and on the other hand countries like Sweden, with great welfare systems and benevolent bureaucrats dedicating their lives to safeguarding the eights of all citizens.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p42., Flatiron Books.
oppressive は 圧政的な・耐え難い という意味です。
- oppressive tax 重税
- oppressive rule 圧政
- oppressive heat うだるような暑さ
などの表現があります。
同意語は
- brutal 残酷な・荒々しい・厳しい
- cruel 残酷な・厳しい・過酷な
- dictatorial 専制君主の・専横な
- tyrannical 暴君的な・専制的な・非道の
などがあります。
dictatorship:専制君主制・独裁国家
If we are asked to think about different kinds of government systems, we might quickly recall on the one hand corrupt, oppressive dictatorship and on the other hand countries like Sweden, with great welfare systems and benevolent bureaucrats dedicating their lives to safeguarding the eights of all citizens.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p42., Flatiron Books.
dictatorship は 専制君主制・独裁国家 のことです。
この引用では この記事の上 で紹介した oppressive 圧政的な と合わせて oppressive dictatorship 圧政的な独裁国家 という使われ方をしています。
同意語には
- authoritarianism 独裁政治・独裁主義・権威主義
- autocracy 独裁政治・専制政治・独裁国家
- totalitarianism 全体主義
- tyranny 独裁政治・独裁国家・絶対権力
反対語は
- democracy 民主主義・民主主義国家
ですね。
benevolent:親切な・優しい
If we are asked to think about different kinds of government systems, we might quickly recall on the one hand corrupt, oppressive dictatorship and on the other hand countries like Sweden, with great welfare systems and benevolent bureaucrats dedicating their lives to safeguarding the eights of all citizens.
Hans Rosling, Ola Rosling and Anna Rosling Rönnlund, “FACTFULNESS” p42., Flatiron Books.
benevolent は 親切な・優しい という意味です。
この引用では benevolent bureaucrats 親身になってくれる公務員 という意味ですね。
同意語は
- benign 親切な・温和な
- caring 面倒を見る・世話をする
- compassionate 心の優しい・思いやりのある
- humane 思いやりのある・人情味のある
- generous 寛大な・気前の良い
などがあります。
反対語は
- cruel 残酷な・無慈悲な・非情な
- merciless 無情な・無慈悲な・容赦ない
- stingy ケチな・しみったれた・せこい
- unkind 不親切な・思いやりのない・人情味のない
などですね。
まとめ
思い込みを乗り越え、データや事実に基づいて世界をありのままに正しく読み解くための指南書として、世界で 300 万部を超える大ベストセラーとなっている FACTFULNESS から、世界の状態や状況を表す表現を紹介しました。
日常生活でもよく耳にする表現も多く出ているので、これを機に語彙を増やして英語表現の幅を広げていきたいですね。